●建久5年(1194) 「丹波蓮生寺建立」
美作からの京への帰路、丹波路の宵田にさしかかったところ、雪も深く日も暮れたので蓮生は村の辻堂に入り、
高声念仏を称え夜を明かした。何事かと驚き集まった村人の中に蓮生を見知る者がいて、あの剛勇無双の熊谷直実がと感嘆敬服し、
念仏の声があがった。当地にとどまり教示されんことを望まれたが、蓮生は己れ自身の心身のいましめにもと別時の念仏を修したのである。
村人たちは、この地に新たに念仏庵を建て、念仏道場、蓮生寺と名付けた。この寺は、
現在の浄土宗熊谷山大如院蓮生寺であり、開山を蓮生法師、寺宝には熊谷蓮生坊笈仏、御自作木像、手蓮華などが今も伝えられている。