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1998年08月17日

●「お盆・お施餓鬼の心構えと本質」

 日増しに暑さが加わって参りました。お檀家の方々には、お元気でいらっしゃると思います。本年度は原点に立ち返り、 お盆とは何なのか?お施餓鬼会とは何をしたら良いのか?ということについて少々お話しさせていただきます。

 平成十年度の施餓鬼法要前にお話しさせていただいた生活上の実例を挙げてではなく、本来のお盆・ お施餓鬼会の意義に沿って進めさせていただきます。


   お盆の意味

 今年もお盆の季節がやってきました。真夏の暑い日に、亡き人が我が家を訪れる。仏様の里帰りの日です。 お盆の語源はウラバンナというサンスクリット語です。漢字にしますと盂蘭盆、それを縮めてお盆となったのです。
 お盆の供養は餓鬼道(後述)におちているかもしれない先祖の供養のためともされています。

 お釈迦さまの十大弟子のひとりである目連さんの母親もそんな世界で苦しんでいました。目連さんは、餓鬼道で苦しむ母親を救うため、 お釈迦さまの教えに従い、十方の僧たちを招いて供養したのです。その結果、母親は餓鬼道から救われたとされています。 その母親を思う孝養の心が今日まで伝わり、現在の盆行事となっているのです。 欲しい欲しいという欲望の世界はこの現実世界であり、 満足することを知らない心、施すことを知らない心、私たち自身が餓鬼道におちることがないように、心して生きよ、 とお盆行事は教えていると言えます。


   お盆のあゆみ

 日本のお盆が初めて営まれるようになったのは、日本書紀によると、推古天皇の時代からからとなります。
平安中期になると、「蜻蛉日記」、「枕草子」にも盆行事が記され、「今昔物語」にも紹介されています。鎌倉時代になると、「吾妻鏡」、 「明月記」にも記され、室町時代になり、盆踊りによる供養が行われ始めたようです。また、 施餓鬼会もこの頃から広く行われるようになったようです。


   お盆の期間

 全国的には八月の中頃が多いようです。もちろん、当寺のある熊谷もこの時期に行っています。しかし、都心の一部では七月の中旬、 また地域によっては八月の下旬や九月になってから、というところもあるようです。
 経典からしますと、七月に行われる行事ですが、この七月は旧暦の七月でして、新暦に直せば八月ということになります。 このように月日がまちまちになったのは、収穫期やその地域の事情によるためのようです。
 古来より、お盆は正月と共に日本の二大行事とされ、盆正月と呼ばれるほど我が国の重要な国民的行事として今日まで伝承され、 今なお各地で盛んに行われています。
 私たちを養い育ててくれた両親や、ご先祖様へ感謝する日でもあるわけです。


   お盆を迎えるにあたって

 前年のお盆以後に亡くなった人の霊を初めて迎えるお盆のことを新盆(にいぼん、あらぼん)、若しくは初盆(はつぼん)といいます。 新盆は普段のお盆よりお供えを盛大にしたり、親戚や個人と親しかった人が提燈や燈籠を贈るならわしがあるところもあるようです。

 また、当寺では八月十三日から十四日までの二日間に渡り、お棚経にお伺いできるよう準備しておりますので、 新盆に限らず通常のお盆のお檀家様もお申し込み下さるようお願いいたします。(時間や人員に限りがありますので、 ご希望のお檀家様はお早めにお申し込み下さい。)