●「お盆・お施餓鬼の心構えと本質」その2
前回(7/20)に続き、今回はお施餓鬼会についてお話しましょう。
お施餓鬼会
お盆と共に夏の行事の一つとなっているものがお施餓鬼会です。本来はこのお施餓鬼会(施食)はお盆とは別の行事です。
都心部では五月の連休中に行われている地域もありますが、大半の地域ではお盆の期間に行われることが多いようです。
仏教界でいう餓鬼世界は飢えの世界で、食物があっても食べることができない世界です。
食べても喉がハリのように細いので飲み込むことができなかったり、食べようとして手にすると、烈火のごとく燃えつきてしまいます。
このような餓鬼に飲食(おんじき)の施しをして救い出すのがお施餓鬼の意味です。
この功徳はとても大きく功労者の寿命も延びるとされています。ご先祖様の供養にこれほどよい行事はありません。お施餓鬼の行事、
作法がご先祖さまの霊を迎えるお盆の行事と同時に行われるようになったのもこういった理由があるからなのです。
また、お盆の精霊棚には、各家のご先祖さまだけでなく、有縁無縁の餓鬼を救うという意味もあるのです。
自分の家のことだけでなく、ほかの有縁無縁のものたちをも供養するといったおおらかさ、
こころの広さがご先祖様の一番の供養へとつながるのであると考えるようにしましょう。
塔婆供養のすすめ
塔婆、すなわち卒塔婆のはじまりは、古代インドの土まんじゅうに盛り上げた墓のことをいいます。中国においても、日本においても、
塔は重要なものとして必ずと言っていいほど境内に建立されています。
今日、一般に用いられる塔婆は、さまざまな仏塔のなかでも五重塔を模しています。板塔婆の上部の切り込みを見ると、
五重塔を小型化したものであることがわかると思います。また、日本では塔婆は年回忌の追善供養、彼岸会、盂蘭盆会、
施餓鬼会などの折りに建てます。
仏典にも「塔を建てて供養すべし」とあります。塔婆供養は今生にある私たちの最大の善行と言えるでしょう。
塔婆の建立は浄土にいるご先祖さまや父母への報恩感謝の気持ちを形に表すことであり、その功徳ははかり知れないほど大きいとされています。
塔婆は、手紙のようなものと考えたらいかがでしょうか。私たちは日々の生活に追われ、ご先祖さまや父母の追善供養を怠りがちです。
ご先祖さまたちに、「私たちは元気にやっていますよ」とか、「心配しないで浄土で健やかに過ごして下さい」
などの意味を持った手紙を出してみたらいかがでしょうか。

たとえば、遠方からお客さんが訪ねてくるとわかれば、たいていは部屋を掃除し、
その人の好きなご馳走を用意してお迎えしますね。お盆は一年に一度、遠い所から故人が訪ねて来る日です。
訪れてきた故人がゆったりとお休みになれるよう、部屋を用意しご馳走をどうぞ、というのが精霊棚を作る理由です。
仏壇が一般家庭に備えられるようになったのは江戸時代になってからであり、それ以前はご先祖さまの霊を迎えるために、その都度、
棚を作っていたようです。精霊棚はその名残と言えるでしょう。
ナスやキュウリで作った牛や馬といった動物は訪れてくるご先祖さまの乗り物とされており、ご先祖さまに楽をしていただこう、
という昔の人々の優しい心の現れと言えるでしょう。